2019/09/07 13:23

ども。
製作担当の中西です。

今回は当ブランドLotustorksの中からATTACHMENT GUARDの製作過程についてご紹介したいと思います。






前回の記事で少しだけ触れた通り代表の吉川からブランド設立に誘ってもらい、今では皆様に製品をご紹介できるようになりました。
ですが設立当初、まだ具体的にどういった流れで進めるのかわからない頃に吉川からこんなことを言われます。

『しょうちゃん何か製品化したいものない?』

その瞬間しょうちゃんこと私の右脳が一気に動き始めます

『いや・・・特にないわ・・・』

右脳さん、結論ナシ

まぁ思いついたらでいいよと吉川が言ったと同時にひらめきました。




そうです。
私の右脳はこのホースの切れ端を製品にしようと思ったのでした。
この瞬間から守くん(仮)を開発するべく、設計ソフトとの格闘が始まります。



1.Rちゃんがうらやましい


製品の機能としてこれほどわかりやすいものはありません。
単純にケーブルの先端、プラグ部分の保護を主な目的としています。
お見せしたホースも同じ目的で装着したものです。

なぜホース??

地元のライブハウスで音楽活動をしていた高校時代の話です。

田舎町で限られた場所しかなかったため、必然的に同世代とは仲良くしていた記憶があります。
その中の一人にRちゃんというギターを弾く女の子がいたのですが、モンスターケーブルを使っていたんですね。
通称モンケ

一方私が使っていたケーブルはノーブランド数百円のものでした。
安物なのですぐ壊れては分解してハンダで修理していたものです。
弾いているベースすら友人から譲ってもらったもので、当時最先端だったモンスターケーブルなんて手が出ませんでした。

内心ではうらましいと思っていたのに、それを言うこともなく・・・。
本当に子供だったと思います笑

高校生活も終わり、大学進学が決まった時に合格祝いで親がケーブルを買ってくれることになったのです。
舞い上がった私は楽器屋で新品のケーブルを購入し、すぐ試す・・・

わけではなく、ホームセンターに直行しました。

ここで例のホースが登場します。
本当はほしかったピカピカのケーブルをとにかく傷つけたくなかったんです



店員さんが意味も分からず短くカットしたホースを購入し、満面の笑みでケーブルに装着して帰宅しました。

あぁ懐かしい・・・。



2.y=arctanθ


製品の起源はともかくとして、カットホースを販売するわけにはいきません。
とりあえずプラグ部分の採寸から始めました。

ものさしで。(えっ?)

少し想像すればわかりそうなことなのですが、
結論、
アナログすぎ、
まじ意味なし

調べた結果、寸法は明確に工業規格で定義されていました。(先に調べろ!)
厳密に言うと日本とアメリカでは若干規格が違うので、設計には汎用性が求められます。



至難すぎ・・・

必死でデザインを進めていくと数学的要素が出てきました。
三角関数さんです。



ワケワカメ・・・

パソコン上での設計には数字の入力が必須です。
その前段階として計算して紙にイメージを書く、書く、かく、カク・・・。
製品にしたい一心で毎日ひたすら繰り返しました。

何回パソコンを壊したくなったか
何回吉川に無理だと言ったか

なんとか試作の段階までたどり着けました。
作り上げたデータが3Dプリンターを通すことで、形を持って自分の手元にきた瞬間の気持ちと言ったら―。



3.音楽の恩恵


長く楽器を触っていると当然いろんな場面を見ることになります。

楽器を触らなくなる
そもそも楽器を手放す
音楽自体が嫌いになる

私も仕事が忙しいという理由で長く楽器から離れていた時期があります。
人それぞれの人生や音楽があるので、そういったことを否定する気は毛頭ありません。
そこに関して良し悪しはないと思っています。
ですが設計する過程ではこんなことも思いました。

なんで演奏してるんだっけ?

思い返してみたら私なりに音楽との色んな関わりがありました。


音を出してみたときの感動
弾けなかった曲が弾けるようになった喜び
好きなアーティストとの出会い
ほしかった機材を手に入れたときの嬉しさ


どれも自分の人生を豊かにしてくれました。
一度楽器を持った人にはキッカケや、何かしらの感情が必ずあったはずです。

早いか遅いか?
上手いか下手か?
高いか安いか?
プロかアマか?

ここはハッキリ言わせてもらいます。
そんなことまったく関係ありません。



4.守くん(仮)


製品を作っていく過程でプレイヤーのことを考えているとアイデアが出てきて改良されることがあります。

小物なので紛失しやすいんじゃないか。
→紛失防止に輪っかを取り付けました。

ケーブルを長い間押し入れにしまっておくことがあるかもしれない。
→熱や時間によって変化しにくく、金属と反応しにくい素材にしました。

抜き差ししにくいんじゃないか。
→天井部分を指の形に沿って曲線カットすることで持ちやすく、抜き差し時の力を分散できるようにしました。

一色だけはさみしいんじゃないか。
→定番の黒、鮮やかながら落ち着いた発色の赤と青を用意しました。


これらは一例ですが、ブラッシュアップされるのは何も設計に限った話ではありません。
製品に込める想いもまた然り、です。

人それぞれの音楽があるのは理解しているつもりですが、同時に楽器は人生を豊かにしてくれると信じています。

もちろん機能的には様々なプラグを守れるだけの設計を限界まで詰め込みました。

ですが感情論を言わせていただくなら、本当に大事にしてほしいことは別にあります。
この製品を使って機材を大事に扱うことで楽器に対する想いや感動を思い起こして大切にしていただきたいのです。

好き・楽しい・嬉しい・おもしろい

人が楽器を演奏する根源的な理由は決して外的要因ではなく、きっとあなた自身の中にあるはずなんです。

熱くなってしまいましたが、最後に製品名の説明をして今回は終わりにさせていただきます。


ATTACHMENT
取り付け、付属物、愛情、愛着
GUARD
番人、保護物


どうです?
よくできてるでしょ?笑



製品リンク
Black
Red
Blue